
どうも、やまとです。
今でこそ、力学現象と熱現象はエネルギーという観点で見れば関わりがありますが、かつては全く別物と考えられていました。熱の現象には”熱素”(カロリック)という粒子が関与していると考えられていたのです。それを取っ払って力学と熱をつなげたのが仕事やエネルギーの単位にもなっているジェームズ・P・ジュールです。


エネルギー保存則の項で少し触れましたが、粗い面を運動する物体は摩擦によって減速をし、その失われたエネルギーは熱として発生しています。エネルギーは消えてなくなるわけではなく、別のエネルギーに変換していくということです。


ジュールは水を満たした容器の中に羽車をつけた装置で、おもりを落下させて羽車を回すことでどれだけ温度上昇をするか実験しました。羽車を回す仕事と温度上昇に使われた熱の比例定数を”熱の仕事当量”といいます。当時、熱量はcal(カロリー)という単位で扱われていました。今でも栄養の分野ではcalを使っていますね!


気体の圧力については、気体分子の運動を考察することでさらに詳しく見ていきます。この後、気体の法則を考えるときに大気による圧力である大気圧が必要になります。地上を1気圧とすると1013hPa(ヘクトパスカル)というのは聞いたことがありますね!これは多数の気体分子が物体に衝突することによって発生します。


1気圧を水銀柱の高さで表す単位も使われることがあります。血圧なんかはこの単位ですね。イタリアのエヴァンジェリスタ・トリチェリは水銀を満たした細長い容器を逆さまに立てても、ある高さで止まることを発見しました。この高さが760mmであることから、1気圧を760mmHg(水銀柱ミリメートル)とします。これが水であれば、実に10m近くの水の柱になります!ちなみに、水銀が落ちた部分は真空状態になっていますから、これをトリチェリの真空といいます。


1気圧がどのくらいすごいのか、1気圧の中で暮らしている私たちは普段気にすることはありません。それを体感できるのが、圧力体感実験器(製品名:ゴムピタくん)です。上のような計算をすると、0.3m四方のゴム板には実に900kgの空気の塊が乗っていることになります!さすがにこれを、大気圧に逆らって持ち上げることは不可能です。地上の生物はこの環境に適応しているから気にならないのであって、1気圧よりも低いところでは空気が薄くて苦しいですし、圧力の高い水中では水深が深くなるほど押しつぶされて危険になります。
余談ですが、静岡県の沼津市に深海生物をメインに展示している”深海魚水族館”があります。深海魚の水槽には特別に水圧を高める装置がついてるのだと思っていました。しかし、館長さんに聞いてみると普通の水槽ということでした。ではどうして深海魚が地上の水槽で生きられるのかというと、”気合い”だそうです(笑)もう少し正しくいうと、地上の環境に耐えて生き残ったものを展示しているということでした。びっくり!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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