物理基礎 熱力学2 熱量保存則

ふぃじっくす
やまと
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どうも、やまとです。

熱の現象は実験が難しいものです。熱エネルギーは接触している部分から容易に伝わっていってしまうため、空気中では正確なデータがとれません。ここではそういったことがないという仮定で、理想的な場合に成り立つ保存則を考えていきましょう

やまと
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熱は考えている物体間だけでやり取りをすると仮定します。高温のAと低温のBを接触させておくと、やがて熱平衡状態になります。このとき、Aが失った熱とBが得た熱が等しくなります。ここで注意するのは温度の変化の方向(上昇・下降)は”熱を失った”と”熱を得た”という言葉で表現されているので、絶対値を計算すればよいということです。すなわち、高い温度から低い温度を引くということです。

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これを法則化するとこのようになります。ただし、物体が2つのときはこれでよいですが、物体が3つ以上あったり途中で増えたりすることも多いですから気を付けなければなりません。よくあるのは最初から容器の中に水が入っていて、そこにお湯を入れたり、さらに熱した金属球を入れる問題です。

また、比熱ではなく熱容量が与えられる場合もあります。容器に水が入っていれば、合成熱容量を考える必要もあります。

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では例題です。これは熱した空の容器に水を入れるタイプです。容器が高温物体、水が低温物体で、時間が経つと熱平衡状態に落ち着きます。容器が失った熱を計算するときは、温度の下降を(100ーt)℃としますね

逆に水が得た熱量は温度上昇が(tー10)℃です。この温度変化に注意しましょう。あとは熱量が保存しているとして、イコールで結べば、tの1次式ですからすぐに解けますね!

やまと
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前回の初めに確認したように、温度の高低を決めるのは構成粒子の熱運動です。温度が高くなるにつれて、熱運動が激しくなり、固体→液体→気体と状態が変化します。この3つの状態を物質の三態というんでした。水の場合に時間経過と温度変化をグラフにすると、上のようになります。100gの水に1秒間に420Jの熱を与え続けるとこのようになります。

やまと
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では、上のグラフを使って例題を解いてみます。氷を完全に溶かすために必要な熱量と、水を完全に蒸発させるために必要な熱量を求める問題です。

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氷を水に変化させるには20秒から100秒までかかります。ここに着目すればいいですね。

グラフは100gの場合であることに注意してください。問われているのは1kgですから100gを0.1kgに直し、分母分子に10をかければ1kgに変換できます!

また、1molあたりで考えるためにはモル質量をkg単位で表してかければkJ/molの単位で導出ができます。単位の変換は落ち着いて行いましょう。これらを水の”融解熱”といいます。

やまと
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水から水蒸気に変なさせるときには、200秒から740秒を見ます。あとは(1)と同様に解いていけば問題ありません。これを”蒸発熱”といいます。

融解熱や蒸発熱のように、温度変化がなく物体の状態変化に伴う熱を”潜熱”といいます。逆に状態変化がなく温度変化を伴う熱を”顕熱”といいます。少しややこしい用語ですが、覚えておきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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