
どうも、やまとです。
物体を落下させたり、放り投げたりするときには、空気の抵抗力を無視すれば重力だけがはたらきます。そのような運動を落体運動と言います。落体の運動はどのように記述できるのでしょうか。


初速度0での落体運動を「自由落下」と言います。短い時間間隔で落下距離を測定し、速度を求めてみます。図を見て明らかなように、落下距離はだんだん大きくなっています。つまり速度も大きくなっていきます。
では加速度運動をしているわけですが、加速度はどのようになっているのでしょう。1つ1つを計算してまとめると、次のようになります。


今回の実験を分析すると、加速度の大きさはだいたい9.9m/s2くらいで一定になることがわかります(初めは誤差が大きいので無視します)。もっと厳密な測定をすると、この 重力加速度はおよそ9.8となるので、今後はこの値を使っていきます。向きを表すのには「鉛直」下向きという言葉を使います。昔、家を建てるときに最も大きな柱である大黒柱を真っすぐ立てるために、鉛のおもりで地面からの垂直をとったことに由来するようです。
一定の加速度で運動するということは、前回学んだ等加速度直線運動の式を落体運動にも適用できるということになります。では自由落下はどのような式を考えればいいのでしょうか。


等加速度直線運動の3つの式に、初速度・加速度を自由落下の値を当てはめてみます。向きは常に鉛直下向きですから、xよりはyを使う方が数学と同じでいいですね。でもそんなにこだわることはないです。どうです、シンプルでしょう?これで自由落下において、ある時刻での速度や変位を求めることができるようになりました。次は初速度を与えてみましょう。


下向きに投げ下すので「鉛直投げ下し」です。初速度を与えた落体運動なので、等加速度直線運動の式と同じですね。加速度に重力加速度を使い、y方向を考えただけです。


では、上向きに投げ上げるとどうなるでしょう。これは「鉛直投げ上げ」です。ポイントはy軸の向きを初速度と同じ向きにとることです。そうすると、ベクトル量で軸と反転しているものは負号をつければよいのです。つまり重力加速度の符号はマイナスです。少し難しいですか?でも、等加速度直線運動の式の加速度をーgとしただけだと思えば、そんなに複雑なことではないですよ。

一気に式がたくさん出てきて、覚えられないなぁ…

という声も聞こえますが、覚える必要はありません。等加速度直線運動の式は覚えなければいけませんが、今やったことを毎回やればいいのです。最低限のことを覚えて「式は現地調達」というのは、数学や物理では有効です。得意な人ほど覚えることを少なくし、その場で考えながら式を作っていくのです。
今回は1次元(一直線上)の落体運動を学びました。次回は2次元(平面上)の落体運動を見ていきます
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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