
どうも、やまとです。
前回の最後に、動くものの中で動くものを外から見た場合の「速度の合成」について学びました。今回は動く物体の中に乗りこんで、他の物体を見た場合の「相対速度」についてみていきましょう。


時速40kmの 車Aと時速60kmの車Bがどちらも右向きに走っています。Aから見るとBは自分の前方(答えるときは絵の向きで答えます。この場合だと右向きです)に時速20kmで走るように見えます。
逆にBから見るとAは自分の後方(左向き)に時速20kmで走るように見えます。ここまではいいと思いますが、よく絵を見るとまったくよろしくありません(笑)


同じ図のはずなのに、基準が変わるだけで答えが変わるのはまずいです。基準を決めたら、その基準だけに当てはまる図を描き、1つの答えが出るようにしたいのです。
そのために、基準とする物体を止める向きに地面を動かし、地面と車との合成速度を考えることにします。これが相対速度の考え方です。
では実際にAの車に乗り込んで、Aを基準として作図をしていきましょう。


基準とする車に乗り込むということは、自分は止まっているように考えるということです。自分が中心ということですね。ルームランナー(室内でランニングする健康器具)をイメージしてくれてもいいです。実際に右向きに動いている車を止めるには、地面が同じ速さで逆向きに流れてくればいいわけです。向きを逆にするには、マイナスをつければいいいんでした。
その地面の速度とBの速度をベクトル的に足し算してあげると、Aを基準としたBの速度を求めたことになります。相対速度の求め方はこれだけです。式にすれば次のようになります。


これを「Aに対するBの相対速度」といいます。Bを基準にしたときは、Bを止める向きに地面を動かせばいいのです。
2つの物体がバラバラの運動をしていることを「相対運動」と言います。一方に乗り込んで他方を見れば、外部から見るよりも運動を簡単に考えることができます。例えば「加速するエレベーターの中で振動する振り子」などの動きは、外部から見ると複雑極まりません。エレベーターの中から見れば、ただの振り子運動です。相対運動を考えるときの1つの要素として、相対速度を考えることはより複雑な問題に対応できることになります。ぜひマスターしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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