波の波面の進み方について考えてみましょう。ホイヘンスは波の1つである光に着目し、波面の進み方に関する研究を行いました。

”ホイヘンスの原理”によって、波の伝わり方が導かれ、反射や屈折などの波の現象を統一的に説明することができます。言葉では少し難しいですが、図で表すと以下のようになります。

波面は波の進行方向に垂直です。波面(オレンジの実線)の各点が波源となり、”素源波”(ピンクの点線)を出します。その素源波に共通に接する面が、新たな波面です。平面波でも球面波でも同じように考えることができます。ただし、波面は波の進行方向にだけできると考えましょう。

波は媒質の変わる境目で”反射”をします。入射角と反射角は等しいという結果は、中学生のときにも学びましたね。では、この反射の法則をホイヘンスの原理を用いて、図形的に説明してみましょう。

図のように波が進行してきて、波面がABに達したときを考えましょう。点Aから出た素源波は、Bにいた波面がDまでやってくる時間で同じ距離だけ半径を広げています。反射波の波面は辺ADの各点から出た素源波に共通に接する面です(緑の実線)。この波面と垂直に波は反射をして進んでいきます。

上の図で2つの三角形を抜き出してみましょう。直角三角形の合同条件から∠BADと∠CDAが等しいことが分かります。直角と直角が間の角を共有しているときは、その共有していない部分の角度は等しいですから ∠BADは入射角i、∠CDAは反射角jと等しいことが証明できます。

反射には”自由端反射”と”固定端反射”の2種類があります。自由端は媒質の端が解放されているもので、その変位は腹になります。反射する波はそのままの変位(そのままの位相)です。
自由端に向かって波が連続的に入射していて、入射波の波形が図の黒の実線のようになるときの反射波、合成波を描いてみましょう。

反射波を描くためには、もし自由端がなかったとしたらどのように波が進んでいくかを描きます。これを仮想波といい(緑の点線)、自由端に対して反転させると反射波になります(ピンクの点線)。入射波と反射波を重ね合わせの原理によって重ね合わせると、その時刻での合成波が得られます(オレンジの実線)。この合成波は定常波になっており、腹と腹の間は波長の半分の長さだったことを確認しておきましょう!

固定端は媒質の端が固定されているもので、その変位は節になります。反射する波は正負が反転した変位(π〔rad〕ずれたの位相)です。
固定端に向かって波が連続的に入射していて、入射波の波形が図の黒の実線のようになるときの反射波、合成波を描いてみましょう。

自由端の場合と同じように、もし固定端がなかったとしたらどのように波が進んでいくかを描きます。反射波はまず仮想波を上下に反転させてから固定端に対してさらに反転させます(ピンクの点線)。入射波と反射波を重ね合わせの原理によって重ね合わせると、その時刻での合成波が得られます(オレンジの実線)。節と節の間も波長の半分の長さです。
ホイヘンスの原理は次の屈折の法則を説明するために使います。自由端と固定端も入試によく出る分野です。しっかり押さえておきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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