どうも、やまとです。
虫眼鏡やルーペは凸レンズ1枚で物体を拡大して見ることができます。倍率を大きくするには焦点距離の小さなレンズにしなければなりません。そのためには球に近いレンズにする必要があり、そうすると像が歪んでしまいます。 レンズが薄ければ像は鮮明になりますが、倍率は小さくなります。

そこで凸レンズを2枚組み合わせて、無理なく拡大した虚像を見るのが望遠鏡や顕微鏡です。また複数の凸レンズや凹レンズを組み合わせて実像をフィルムやセンサーに写すのがカメラですね。ここでは2枚の凸レンズで実像を作る場合について作図をしてみましょう。

2枚のレンズが離れているときのポイントは、レンズが単独であるとして作図していくことです。まずは前方にあるレンズAだけがあるとして像を作図すると、焦点距離の内側に物体があるので虚像Pとなります。

①で作った像Pを、レンズBに対する物体と考えて作図します。すると実像Qが作図できますね。

実像Qを結像する物体から出てきた光線は、赤・青・緑の実線で描かれたものです。私たちが描ける光線は、光軸に平行な光・レンズの中心を通る光・焦点から出る光の3つでしたね。像が作図できれば、像に向かっていく光を描けば2枚のレンズを通った光がどのように進んでいくかがわかります。
光学顕微鏡やケプラー式望遠鏡は凸凸、ガリレオ式望遠鏡は凸凹の組み合わせでできています。

また、発展として密着レンズにも触れておきましょう。焦点距離の短いレンズAと長いレンズBの中心がOにあるとみなします。物体から出て、Aの焦点を通る光は光軸に平行になりBに入っていきます。この光線はBの焦点を通るように進んでいきますから、Oの真下の点をHとして1回の屈折とみなしましょう。2つの光線の交わるところに像P’Q’ができます。
重なり合っていてわかりにくいですが、赤・青・緑の三角形の相似関係を使ってそれぞれの辺の比をOから物体までの距離、Oから像までの距離、それぞれのレンズの焦点距離を使って表します。

3つの式をかけると、ちょうど分母分子が打ち消し合って1になるようになります。a,b,fを変形していくとそれぞれの逆数の和の形になります。2つのレンズ全体の焦点距離をfとすると、凸レンズ単独の写像公式と等しくなります。このようにして密着レンズの焦点距離をそれぞれの焦点距離の逆数の和として求めることができました。
たとえばカメラのレンズは複数の凸レンズと凹レンズを組み合わせて、鮮明な像を結像しています。色による屈折の違いがあり、カメラのレンズの構造は実は非常に複雑です。 興味のある人は調べてみると面白いですよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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