物理　波動12　写像公式

どうも、やまとです。

虫眼鏡や顕微鏡では、物体を拡大して見ることができますね。また、眼鏡やコンタクトレンズをしている人も多いと思います。レンズは屈折を利用して、光を集めたり広げたりする光学素子です。レンズの像の結び方について詳しく見ていきましょう。

凸レンズは中心部が膨らんだ形をしています。レンズの中心を通るレンズに垂直な線を光軸、レンズから見て光が来る方を前方、逆を後方とし、レンズの前後には光が集まる点である焦点があります。

凸レンズで作図ができる線は、光軸に平行な光と焦点から出る光です。光の波面は光の進行方向に垂直なので、図のピンクの線になります。レンズ後方での波面の形は、センター試験に出題されたこともあるので要注意です。

凹レンズは中心がへこんだ形をしています。凸レンズとは逆に、光を広げる働きがあります。作図には光軸に平行な光と焦点に向かう光を利用します。

凸レンズと凹レンズに共通して、レンズの中心を通る光はそのまま直進するとしています。3本のうち2本を使って、レンズが作る像を作図していきます。

凸レンズによる実像は、焦点よりも外側に物体を置いたときに作られます。光軸に平行な光とレンズの中心を通る光を作図すると、P’Q’の位置に倒立の実像ができますね。

像を位置を物体の位置と焦点距離を使って表すために、三角形の相似関係を使います。赤の三角形と青の三角形は”３つの角が等しい”ので相似です。辺の長さの比を上のように表し、OAとP’Q’を2通りの式で表し、a,b,fの関係を表すことができます。この式をレンズの式、写像公式として、最後にまとめていきます。

焦点よりも内側に物体を置くと、レンズ後方では像は結べませんね。光線を前方側に延長して交わったところに、レンズの後方からレンズを覗いたとき、実物よりも大きな正立の虚像ができます。 先ほどと同じように相似な三角形を2種類みつけ、式変形をしていきます。最後の式で異なるのはｂの符号がマイナスですね。

凹レンズでは実像をつくることができませんから、できる像は正立の虚像で実物よりも小さくなります。凸レンズの場合と同じように、 相似な三角形を2種類みつけ、式変形をしていきます。最終的にｂとｆの符号がマイナスです。

これらの３つの式を１つにまとめて押さえていきます。

基本形は凸レンズの実像の場合です。また、物体に対する像の大きさを倍率として、さらにこの式にマイナスをつけておきます。凸レンズによる実像が倒立像であったことから、倒立をマイナスで表しているということです。この式をどの場合にも使えるようにするために、ルールを２つ決めます。まずaとbはレンズを原点とする座標とし、それぞれの軸を図のようにとります。もう１つは焦点距離の符号を凸レンズをプラス、凹レンズをマイナスとします。

２つのルールを決めたことにより、ｂとｍの値で像の種類を判別できるようになっています。ｂが正のとき、つまりレンズ後方なので実像、ｂが負のときはレンズ前方なので虚像です。またｂの値によって倍率の符号が決まりますから、ｂが正のときはｍは負ですから倒立像、ｂが負のときはｍが正ですから正立像になります。

これを覚えておけば、3つの式を覚えるよりもスマートに考えることができると思います。作図による導出も含めて、押さえておきましょう。