物理 波動10 光の諸現象

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

光には特有の現象が多くあります。色によって波長が異なることから、白色光に含まれる様々な色が分かれることで美しい現象を引き起こすのです。そのいくつかを見ていきましょう。

その前にこのあとの理解を助けるために、媒質中の光について確認をしておきます。屈折の法則で学んだように、屈折率nの媒質中では速さや波長はn分の1倍に小さくなります。この媒質中の中を進む距離を真空中の距離に換算したものを、光学的距離(光路長)といいます。

屈折率の大小関係で入射角と屈折角の大小関係が決まります。屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ入射する場合、入射角よりも屈折角の方が大きくなり、ある入射角で屈折角が90°になります。この角を臨界角といい、この角度以上の入射角では、光はすべて反射します。これが全反射です。臨界角以下では、反射と屈折は同時に起こりますから光のエネルギーは失われてしまいます。全反射を繰り返していけば、エネルギーの損失を小さくすることができるので特に情報通信の分野で威力を発揮します。

光が小さな粒子(光の波長かそれより小さいもの)に当たると、通常の反射とは異なり、四方に散っていきます。これを光の散乱といいます。
 
例1 青空と夕焼け
大気中の気体分子のように、光の波長より小さな粒子による散乱では、波長が短いほど散乱される割合は大きくなります。波長が短い青系統の光は散乱されやすく、 波長が長い赤系統の光は散乱されにくく直進します。この性質によって、太陽が高い位置にある昼間は散乱された青い光を受けて青空に、太陽が遠い位置にある夕方は直進してくる赤い光を受けて夕焼けを観測することになります。(レイリー散乱)
 
例2 白い雲
光の波長と同じ程度の大きさの粒子による散乱では、どの色もほぼ同じ強さで散乱されます。このため、雲は白く見えるのです。(ミー散乱)

白色光をプリズムに通して白い紙に映すと、赤から紫まで連続的に分かれた色が見えます。これは屈折率が波長によって異なるため、白色光に含まれる赤から紫の光がそれぞれの波長に応じた角度で屈折して進むためです。一般の物質では波長の小さい(振動数の大きい)光の方が物質中での速さが遅くなるため、屈折率は大きく曲げられやすくなります。このように、屈折によっていろいろな光の色に分かれることを光の分散といい、光をその波長によって分けたものをスペクトルといいます。

高温の物体から出る光(白色光)のスペクトルは、波長が広い範囲で連続的に分布している連続スペクトルです。
 
それに対して水銀灯やネオン管の光のスペクトルは、いくつかの輝いた線がとびとびに分布している線スペクトルです。ここは、原子の分野で詳しく学びます。
 
太陽光は連続スペクトルを表しますが、その中に暗線(フラウンホーファー線)が見られます。これは太陽や地球の大気に吸収されて生じた吸収スペクトルです。この暗線の波長から、太陽の近くに水素・ヘリウム・ナトリウム・マグネシウム・カルシウム・鉄などの元素があることが分かりました。
 
遠い天体からの光は波長が長い方に伸び、スペクトルの位置がずれます。これを赤方偏移といい、光が地球に届く間に空間自体が伸びて波長が引き伸ばされるためと考えられます。光速の値は変わりませんから、波長の変化によって振動数が変わります。つまり光のドップラー効果が起こっていることになります。遠くの天体からくる光ほど赤方偏移が大きいことから、遠くの天体ほど地球から速く遠ざかっているという、宇宙膨張説の根拠となっています。

虹は空気中に浮かんでいる多くの水滴によって、太陽光が2回屈折するときの分散によって起こります。それぞれの雨粒は多色の光を反射していますが、1つの雨粒からはそのうちの1色のみが観察者の目に届きます。たくさんの雨粒から「太陽」-「プリズムとなる水滴」-「観察者」のなす角度によって異なる色の光が見えて初めて虹となります。外側は赤色、内側は紫色です。虹については、別の記事でもっと詳しく見ていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました