波に関わる現象というのは、何かニュートン力学とは別の、独立した一分野であるかのように思う人も多い。しかし根底にあるのは物体の振動現象である。たとえば、ばねにつながれた物体を連結させて1つを振動させると、その振動はばねを介して隣へ隣へ伝わっていく。 これを空気の分子で置き換えてやると、音波の伝わる様子が記述できる。
さらに波という現象は物体だけとは限らない。電場や磁場を一箇所で揺すってやると、その影響が周囲へと伝わって行く現象がある。これは電場と磁場の波だから電磁波だ。量子力学を学ぶと、この世は波だらけであることが分かってくることだろう。それを踏まえた上で、その先に素粒子論が来る。
高校物理の波動は力学以上にイメージする力が必要である。難しい式をこねくりまわしたり面倒な計算をするよりも、算数的な発想が必要で、計算自体はむしろ簡単なことも多い(正弦波の式や難関大の問題は三角関数が必須だが…)。入試問題のことで言えば、波動分野は短時間で得点できる可能性のある分野である。ここが得点源にできるように、基本事項を徹底的に理解していこう。
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