物理 熱力学9 熱機関と熱効率

ふぃじっくす
やまと
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どうも、やまとです。

熱力学の分野も大詰めです。今までに学んだ知識を総動員して、気体がする仕事を取り出す”熱機関”を考えていきます。

やまと
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気体の状態をある状態Aからスタートし、A→B→C→D→Aのように変化させて元の状態に戻します。このような状態変化を繰り返し行う循環過程を”サイクル”といい、熱機関のモデルとして考えることができます。各過程を詳しく見てみましょう。

やまと
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A→Bでは高温物体である容器から閉じ込められた気体に熱を与えます。圧力が十分高まるまでピストンは持ちあがりません。したがって”定積加圧”です。

B→Cでは圧力一定の気体がピストンを持ちあげていく”定圧膨張”です。このとき、気体がした仕事はP-Vグラフの赤で囲まれた面積です。

C→Dでは気体が高温物体となり、容器に熱を放出します。おもりが外されると期待の圧力が十分下がるまでピストンは下がりません。これは”定積減圧”です。

D→Aでは気体の圧力が一定でピストンが下がっていく”定圧圧縮”です。このとき、気体がされた仕事は P-Vグラフの青で囲まれた面積です。

B→Cで気体がする仕事とD→Aで気体がされた仕事の差分が外部に取り出せる仕事になります。これを”正味の仕事”といいます。

やまと
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熱量について見ると、A→B→Cは吸熱、C→D→Aは放熱です。この差分が気体が吸収した正味の熱量ですから、1サイクルの熱力学第1法則は上のようになります。このとき、元の状態Aまで戻しているので内部エネルギーの変化は0です。したがって、正味の熱量と正味の仕事は一致することになります。

やまと
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熱機関の性能は”熱効率”で評価することができます。吸収した熱量に対してどれだけの仕事が取りだせたかを計算します。熱の現象のように変化の方向が一方向の変化を”不可逆変化”といいます。熱機関は元の状態に戻す前提上、必ず熱を吐き出す過程が必要なことから、「熱を100%仕事に変換することはできない」といえます。これが熱力学第2法則です。

熱力学の大きな内容は以上になります。熱力学は苦手とする受験生が多い印象ですが、十分な時間が取れていないことが原因であることがほとんどです。2次試験で出題されることも多いですから、しっかりと得点源にしていきたいですね。記事としては、熱機関の練習問題と少し発展的な内容に触れたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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