物理　熱力学７　気体の状態変化

どうも、やまとです。

熱力学第１法則を使って、気体を様々な条件で状態変化させてみましょう。

定積変化は体積が一定の状態変化です。したがって、気体は仕事をしません(されません)。PーVグラフはP軸に平行になります。熱力学第１法則から、”与えた熱量がすべて内部エネルギーの増加となる”ことがわかります。この変化は”定積加圧”です。”定積減圧”では”内部エネルギーの減少はすべて吐き出す熱量”となります。

定圧変化は圧力が一定の状態変化です。PーVグラフはV軸に平行になります。 ちなみに圧力が一定の状態変化は、シャルルの法則が成り立つんでした。 緑の長方形の面積が外部にした仕事です。熱力学第１法則から、”与えた熱量の一部は内部エネルギーの増加、残りは外部にする仕事になる”ことがわかります。 この変化は”定圧膨張”です。”定圧圧縮”では” 内部エネルギーの減少は気体がされた仕事と吐き出す熱”になります。

等温変化は温度が一定の状態変化です。したがって、温度に依存する内部エネルギーの変化は0になります。ちなみに温度が一定の状態変化は、ボイルの法則が成り立つんでした。 PーVグラフは反比例のグラフになります。緑の面積が外部にした仕事ですが、曲線部分が含ませるので求めることは難しいですね。

” 等温膨張”では”与えた熱量はすべて外部にした仕事”になります。”等温圧縮”では”気体がされた仕事はすべて吐き出す熱量”になります。

等温変化は内部エネルギーが0になること以外は、計算をすることができませんが等温変化のグラフは定積変化でも定圧変化でも使うことができます。PーVグラフに等温曲線を描きこむと温度の高低がわかりやすいので、内部エネルギーの増減がすぐにわかります！

断熱変化は熱の出入りを断つ状態変化です。したがって、気体の内部エネルギーを使って仕事をするか、された仕事の分だけ内部エネルギーが増加します。この変化は急激な温度変化をもたらします。「圧気発火器」を使えば、ピストンを押しこむだけで紙を燃やすことができ、空気を送り込んで膨張させたペットボトルの栓を抜けば雲を作ることができます。

等温変化と断熱変化のPーVグラフは図のようになります。断熱変化では”ポアソンの式”が成り立つ場合があります。”断熱自由膨張”という状態変化の場合には成り立たないので少し扱いが難しいですが、別の記事で導出と練習問題をやってみたいと思います。

４つの状態変化を見てきました。これらの状態変化を組み合わせて、気体がした仕事を取りだす”熱機関”を作ることができます。それぞれの特徴を押さえて、どのような式が成り立つかを考えていきましょう。