物理 熱力学5 内部エネルギー

ふぃじっくす
やまと
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どうも、やまとです。

内部エネルギーという言葉は、聞きなれない言葉だと思います。「高温の物体ほど、熱をたくさん持っている」という表現をしますが、この物体が”持っている熱”のことを指して”内部エネルギー”と呼んでいます。

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物質を構成する粒子が及ぼしあっている力を”分子間力”といいます。これは化学で学ぶイオン結合や共有結合の総称だと思えばいいです。この分子間力は保存力なので、位置エネルギーを考えることができます。内部エネルギーとは、熱運動による運動エネルギーと分子間力による位置エネルギーの和のことです。ただし、これまで扱っている理想気体では分子間力による位置エネルギーを0としています。したがって、理想気体の内部エネルギーとは気体分子が持っている運動エネルギーの総和とします

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分子1個が持っている平均運動エネルギーは絶対温度に依存します。また、1molの分子数はアボガドロ数個ですから、温度T〔K〕の気体n〔mol〕が持っている内部エネルギーは、上のようになります。実用的には内部エネルギーの変化を求めることが多いですから、変化量で表すと右の式になります。

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希ガスは1個の原子からなる単原子分子です。3次元空間の並進運動の自由度3が内部エネルギーの係数に掛かっています。ですから内部エネルギーの式は、この単原子分子理想気体に成り立つ式だということに注意しましょう。一般的な気体分子は二原子分子ですが、この場合には分子の並進運動(自由度3)のほかに回転運動の効果も加わります。図のy軸、z軸周りの回転です(自由度2)。したがって自由度5が係数に掛かっています。問題文に”単原子分子理想気体”と書かれているかを、しっかりと確認しましょう。

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気体がする仕事について確認しておきましょう。力学での仕事の定義は、”力を加えて、その力の向きに物体が動いたとき力は仕事をする”のでした。これはF-xグラフの面積で表されます。気体の場合には多くの分子が壁に衝突するので、その仕事は圧力と体積変化で表すのが容易です。これはP-Vグラフの面積になります。また、その正負は、体積の増減から判断できます。

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このあと、気体の状態変化について学んでいきますが、そのうちの定圧変化と定積変化について気体がした仕事を見てみましょう。

圧力が一定のとき、グラフは左のようになります。体積がV1からV2に増加しているので、気体は外部に仕事をしています。この大きさは緑の長方形の面積で表されます。

体積が一定のときは右のグラフです。圧力が増加していても、体積が変わらなければ仕事は0です

やまと
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仕事の正負は特に気を付けなければなりません。考えている物体と、仕事を”した”のか”された”のかで符号が変わります

次回はこれらの知識を用いて”熱力学第1法則”を考えていきます。状態変化におけるエネルギー保存則です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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