物理 電磁気8 キルヒホッフの法則

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

オームの法則は、抵抗での電圧降下を表す式でした。これを拡張して、回路全体についての電流と電圧の関係を記述するのがキルヒホッフの法則です。

第1法則は回路中の交点について、流れ込む電流の和と流れ出る電流の和が等しいという式を立てます。このとき、電流の向きを適当に仮定します。図の赤い点については、流れ込むI1とI2と流れ出るI3とI4が等しいということです。

第2法則は自分で決めた青い閉回路について、起電力と電圧降下の和を考えます。このとき、起電力は閉回路の1周する向きに、電源が電流を流そうとする場合を正とします。また電圧降下は閉回路の1周する向きに、第1法則で仮定した電流が流れる場合を正とします。図の回路で考えると、電源の起電力E1は正、E2は負になります。また電圧降下はR1I1は正、R2I2は負です。

では例題を見てみましょう。2つの電池と3つの抵抗を図のように接続します。このとき、各抵抗の電流の向きと大きさを求めるために、キルヒホッフの法則の式を立てていきます。

まず、抵抗に流れる電流の向きと大きさを仮定します。さらに閉回路を2つ決めます。これでキルヒホッフの法則の式が3つ立てられますね。
点aについて流れ込む電流と流れ出る電流を考えると(ア)式になります。
閉回路ⅠとⅡについて、それぞれ電源が1つ、抵抗が2つの回路です。したがって起電力の和がシンプルになり、電圧降下は閉回路の向きと電流の向きが一致しているのでどちらも正の値で考えます。もし仮定した電流の向きが違っていれば、マイナスの値が出てくるはずです。実際に計算してみましょう。

3つの連立方程式を解いていきます。文字を減らしていく方向に式変形していきましょう。上の計算ではまずI1を消去して、I3を求めました。計算していく過程で、I1がマイナスで出てきたので、これは初めに仮定した向きが逆だったということですね。つまり2Vの電源には電流が流れ込む向きに流れているということです。
キルヒホッフの法則では、向きの決め方がポイントになります。方針としては、閉回路の起点となる電源を選択して、その電源が電流を流す向きに閉回路の向きと電流の向きを仮定していきましょう。

抵抗の接続問題もキルヒホッフの法則から考えていきましょう。直列接続の場合には、回路に流れる電流が等しいことからキルヒホッフの第2法則を立て、オームの法則の式と比較すると、直列接続の合成抵抗が求まります。

並列接続の場合には、電圧が等しいことからキルヒホッフの第1法則を立て、オームの法則を電流について書いた式と比較すると並列接続の合成抵抗が逆数の和になることがわかります。
コンデンサーの合成とは逆転しているので、公式化して使うよりは毎回キルヒホッフの法則をスピーディに立てられる訓練をすることをお勧めします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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