物理 電磁気6 静電エネルギー

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

充電したコンデンサーはの両極板を導線でつなぐと、負の極板の自由電子が導線を通って正の極板に向かって移動し、正負の電荷が打ち消されます。これを放電でいいます。導線の途中に電球や抵抗をつなぐと熱や光を発生します。充電されたコンデンサーには、この仕事をするだけのエネルギーを蓄えていたと考えられます。

コンデンサーに蓄えられるエネルギーを静電エネルギーといいます。電気容量Cのコンデンサーに起電力Vの電源をつなぐとQ=CVの電気量が蓄えられます。コンデンサーの電位差がvになったときに、電気量をΔqだけ移動させるのに必要な仕事は、グラフの黄緑の長方形の面積で表されます。電気量Qを蓄える仕事は微小な長方形の面積の総和で与えられるので、グラフの緑の三角形の面積となります。

したがってコンデンサーにはされた仕事と同じだけの静電エネルギーが蓄えられたことになります。Q=CVの式を使って書き換えると、静電エネルギーの式は3通りで表せます。このとき、電源はQの電荷をVの電位差で移動させるのでQVの仕事をしますが、コンデンサーが蓄えたエネルギーとは一致しません。これは回路に抵抗が接続されていれば熱が発生しますし、抵抗値が0の理想的な導線であれば、スイッチを入れたときに電磁波が発生することを意味します。

では、入試でよく問われるコンデンサーの挿入問題について見てみましょう。

(1)は静電エネルギーの確認です。与えられた文字で答えましょう。

(2)はスイッチを切っているので、電荷が変化しないのがポイントです。極板間隔を2倍に広げると電気容量は2分の1倍になりますから、これらを考えるて計算すると静電エネルギーは2倍になります。これは極板を広げるために外力がコンデンサーに対して仕事をしたことによります。

極板間隔を元に戻して、スイッチを閉じたまま金属板Pを挿入します。コンデンサー内部の電場によってPには静電誘導が起こります。P内部の電場が0となり、P全体が等電位となります。Bは接地されていますから0Vですので、Pがない場合には青い点線のグラフになります。Pはコンデンサーの中央にあり、AP・PB間の電場は等しくなるのでグラフの傾きが等しいことから、Pの電位はV/2となります。これらをまとめると、電位のグラフは図のようになります。

(4)金属板を挿入したことによって、コンデンサーはd/4の間隔のものが直列接続された状態になります。上側と下側には同じ電気量が蓄えられるので、4Cの電気容量のコンデンサーにV/2の電位差がかかっていることから計算します。
直列接続の合成容量で考えると( )内のようになります。

(5)スイッチを開いた後、Pを取り去ると(4)の電気量が保存され、電気容量はCに戻りますから、電位差は2Vとなります。

例2は誘電体の挿入です。誘電体がある部分では、比誘電率倍に電気容量が大きくなります。コンデンサーの右半分と下半分それぞれに誘電体を挿入した場合について見てみましょう。

(1)面積が1/2になったので、電気容量も半分1/2になります。誘電体を入れた部分はε倍にします。電位差はどちらもVなので、それぞれに蓄えられた電気量の和をとったものが求める電気量です。

(2)極板間隔が1/2になったので、電気容量は2倍になります。 誘電体を入れた部分はε倍にします。蓄えられた電気量はどちらもQ2なので、それぞれの電位差をコンデンサーの式から求めて電気量を計算します。

まとめると、コンデンサーに金属板を挿入したときは、極板間距離を小さくしたコンデンサーとして考えればよく、誘電体を挿入したときは、挿入した部分の面積・極板距離を変化させ比誘電率倍しましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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