どうも、やまとです。
”ガウスの法則”の項で学んだように、正と負に帯電した板を上下に配置するとその内部だけに電場が生じます。このとき正と負の電荷は互いにクーロン力で引き合っているので、電荷を蓄えることができます。これがコンデンサーです。

コンデンサーの充電は、”電源の電位差と等電位になるまで電荷がたまる”ということです。cの図で色を分けたように電源の正極につながっている部分と電源の負極につながっている部分は、それぞれ等電位となると電子の移動が止まり充電完了です。

コンデンサーの極板間の電場は一様な強さになります。したがって電位差の式V=Edにガウスの法則から得られる電場の強さを代入し、Qについて書くとQ=CVを導くことができます。ここで1/4πkをεと置き、誘電率といいます。これを用いて電気容量を表すと、面積に比例し、極板間距離に反比例します。

コンデンサーの電気容量を大きくするために、極板間に誘電体を挿入します。誘電体は不導体のことですから、電場中に入れると誘電分極が起こります。これによって、極板上の電荷が打ち消された状態になり、より多くの電荷を蓄えることができます。

問題では電源と切り離した状態と電源とつないだ状態での違いが重要になります。
①スイッチを切った状態では、電荷の移動は起こらず誘電分極によって電場が小さくなるので、電位差も小さくなります。
②スイッチを入れた状態では、誘電分極によって打ち消された電荷を補充するように電荷が移動してきます。電位差は電源と等電位です。
どちらの場合も電気容量の式は、元のεr倍になります。これを比誘電率といい、真空の誘電率に対するある物体の誘電率です。実際のコンデンサーでは、極板間に比誘電率の大きい誘電体を入れて、小型で電気容量を大きくします。たとえばチタン酸バリウムという物質は比誘電率が約5000なので、電気容量を5000倍にすることができます。

コンデンサーは、回路の中で複数個を組み合わせて使うことが多いです。接続の仕方でどのように考えればいいかを押さえておきましょう。
並列接続のときは、電位差が共通なのでそれぞれのコンデンサーが蓄える電気量を考えます。これらを電気容量Cの1つのコンデンサーと見立てたとき、Q=CVの式と比較すると合成容量は単純和になります。

直列接続のときは回路から切り離された部分ができます。ここを孤立部分といい、 静電誘導によって電荷が移動しても初めに蓄えられていた電荷がなければ総電気量は0です。したがって蓄える電荷が共通になりますから、電位差を考えます。 これらを電気容量Cの1つのコンデンサーと見立てたとき、V=Q/Cの式と比較すると合成容量は逆数の和になります。
合成容量の式はよほどの場合を除いて使わず、常に今の手順で求めることをお勧めします。合成抵抗の式と紛らわしいのと、他の設問との関係で結局QやVを求めることになるからです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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