どうも、やまとです。
金属のように電気をよく通す物体を導体といいます。金属を構成している原子に属さない”自由電子”が移動するからです。

導体に帯電体を近づけると、帯電体に近い側には異種の電気が、遠い側には同種の電気が現れます。これが静電誘導です。

一様な電場中に導体を置くと、電子は電場と逆向きの力を受けて導体表面に分布します。それによって電気力線が内部に入り込めなくなるので、導体内部の電場は0になります。したがって、導体は常に全体が等電位となります。
導体の電場と電位のグラフは、よく出題されるので押さえておきましょう。電場が電位の傾きであるという電場の2つ目の定義から考えると、電位のグラフは下のようになります。

正の帯電体を用いて、箔検電器を正と負に帯電させる方法を考えます。
①正に帯電させるには、上の金属板に帯電体をこすりつけます。箔の電子が帯電体の正電荷に引かれて、金属板から帯電体に移動します。検電器全体の電子が不足した状態になるため、帯電体を離すと、全体が正に帯電します。
②負に帯電させるには、上の金属板に帯電体を近づけ、金属板に指で触れます。人の電子が箔に移動し、箔が閉じます。検電器全体に電子が過剰に存在した状態になるため、帯電体を離すと全体が負に帯電します。

地球の内部には高温で液体状の金属部分があります。地球全体を大きな導体と考えると、地球全体が等電位になります。このため、地球の電位を0Vとするのが便利です。導体と地球をつなぐことを接地(アース)といい、特に大きな電気を使う電化製品は、漏電を防ぐためにアースをして使用します。電子レンジや洗濯機にはアース線がついているので見てみてください。

導体内部に中空部分があるときには、アースをしておくとその内部に電気力線が入り込めないので電場が0になります。また、中空部分に電荷があるときには、導体外部に電気力線が出ていきません。このように電場をカットすることを”静電遮蔽”といいます。

導体とは逆に電気を通しにくい物質を”不導体”といいます。絶縁体や誘電体ということもあるので、覚えておきましょう。導体との違いは、自由電子がないことです。したがって、電子はすべて不導体の構成粒子に属しています。たとえばゴムは不導体の代表物質ですが、帯電体をゴム風船に近づけると引き寄せることができます。これは、すべての原子は電子を持っているため、その電子が構成粒子の中で移動することによります。この現象を”誘電分極”といいます。

不導体に正の帯電体を近づけると、構成粒子中の電子が帯電体側に引き寄せられます。そのため不導体の表面が正負に帯電した状態になります。静電誘導とは違い、すべての電気力線が遮られるわけではないので、不導体内部には外部よりも小さな電場が存在します。
グラフで確認すると、右のようになります。不導体内部では電場は0にはならないので、電位の傾きが小さくなるだけです。静電誘導と誘電分極は間違えやすいので、しっかり押さえておきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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