物理 電磁気3 電位

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

正の電荷どうしには反発し合うクーロン力がはたらきます。この力に逆らう向きに外力を加えて電荷を移動させると、電荷には外力によってされた仕事の分だけ静電気力による位置エネルギーが蓄えられます。

万有引力と静電気力が同じ形をしていることから、位置エネルギーも同じように考えてみましょう。万有引力定数をクーロン定数に、質量を電気量に置き換えることで得られる式は、積分によって厳密に得られる式と一致します。ただし、万有引力は引力だけであるのに対し、静電気力は電荷の正負の組み合わせで引力と斥力があり、正電荷と正電荷のペアを基本とすると位置エネルギーの正負が反転することに気をつけましょう。電荷間距離に反比例していますから、基準点は無限遠方にとります。

電磁気における重要な物理量として”電位”があります。図のように静電気力を受けて移動する電荷が1Jの仕事をされたとき、”AはBより1V電位が高い”といいます。電位はある基準点からの高さに相当する量です。重力と同じように考えるとわかりやすいでしょう。mgの重力を受けて落下する物体が1Jの仕事をされたとすると、1m高い位置から落下してきたということです。

AとBの位置の電位をVA、VBとするとAとBの差を”電位差”といいます。いつでも無限遠を基準とするのは不便なので、この場合はBを基準としてAの電位を測っていることになります。

電位差を使って静電気力がする仕事を計算すると②式のようになります。これはもともと高電位にあった電荷がもつ位置エネルギーです。したがって電位は、”+1Cあたりの静電気力による位置エネルギー”ということができます。単位のボルト〔V〕は〔J/C〕です。

点電荷周りの電場は距離の逆2乗に依存する量でした。Qの電荷からrだけ離れた位置の電位は④式で表されます。電場と電位が、言葉でも式でも紛らわしいのでしっかりと定義を押さえておきましょう。

電位の等しい位置を結んだ線を、等電位面あるいは等電位線といいます。電気力線と垂直になることと、密なところほど電場が強いという特徴を覚えておきましょう。地形図でいう”等高線”が密なところは傾斜がきついということと同じですね。等電位面を考えるとや電気力線を考えると、電気的な空間を視覚的によく理解することができます。

④式を図示すると上のようになります。電位をx座標とy座標で表して3次元のグラフとします。同じ色の部分が等電位面です。等電位面は同心円状に広がり、電荷に近いほど密になります。等電位面と電気力線は垂直になるので、正電荷からは図のような電気力線が出てきます。 横から見ると電位と座標のグラフとなります。r→0のときV→∞、r→∞のときV→0に漸近します。

電位はスカラー量ですから、2点に正電荷があるときはそれぞれの電荷からの電位の和をとります。原点からx軸上にaだけ離れた点に正電荷があるときは、上の図になります。

原点からx軸上にaだけ離れた点に正・負等量の電荷があるときは、上の図になります。 横から見た図、立体図で見ると正電荷が電位の高い方から低い方に向かう様子もイメージできますね!

運動する荷電粒子についてエネルギー保存則を立ててみましょう。静電気力は保存力ですから、運動エネルギーと静電気力による位置エネルギーが保存します。点線は等電位面です。移項して電位差で表現すると、運動エネルギーの変化がされた仕事に等しいという、エネルギーの原理を表すことができます。

一様な電場中では、電荷は一定の静電気力を受けます。この力でdだけ動くとき静電気力がする仕事は⑤式で表されます。②との比較によって⑥式を導出できます。これは一様な電場中のdの距離における電位差を表し、この式を電場Eについて書くと電場の2つ目の定義を導くことができます。すなわち、電場は、電場の方向1mあたりの電位差のことであり、一言でいうと”電位の傾き”です。したがって電場は〔V/m〕という単位でも表すことがあります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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