物理 電磁気20 インピーダンス

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

前回、各素子に流れる交流電流を、電圧を基準として考えていきました。抵抗、コイル、コンデンサーを直列、並列に接続するとどのように考えていけばいいか見ていきましょう。

直流回路では各素子に流れる電流が等しことから、電流を基準として電圧の位相を考えることに気を付けましょう。コイルは自己誘導で電流が遅れる、コンデンサーは電荷が溜まってから電圧が生じると考えると間違えにくくなりますよ。

位相のずれを考慮して、電流に対する各素子の電圧を表したものをベクトル図といいます。交流回路はベクトル図を正しく描くことが一番のポイントです。R、L、Cの電圧は図のようになるので、これらをベクトル合成すると電源電圧v0となります。

レジスタンスとリアクタンスの合成ベクトルをインピーダンスといいます。これがRLC回路の抵抗の役割をします。インピーダンスはベクトル図を使って三平方の定理から求めることができます。

これは下の図のように、電圧が電流に対してφだけずれたグラフになります。

消費電力は加法定理と2倍角の公式をつかって変形し、時間平均をとります。ほとんどの項は0になり、残るのはcosφの項だけです。このcosφを力率といい、「電力を有効に使える割合」のことです。

ベクトル図から力率はR/Zで表されるので、計算すると回路の消費電力は抵抗Rで消費される電力となります。コイルとコンデンサーで消費される電力は0です。

インピーダンス中の角周波数に依存した部分が0になるように周波数を調整すると、回路に大きな電流が流れます。波動で学んだ現象と同じように、これを共振といいます。

今度はRLCを並列に接続します。並列の場合は電圧が共通になるので、電圧を基準とします。電圧を基準とした電流はコイルが遅れ、コンデンサーが進みます。

直列の場合と同じようにベクトル図から三平方の定理を使うと、並列インピーダンスを求めることができます。

充電されたコンデンサーにコイルを接続して、スイッチを閉じます。コイルの自己誘導によって常にコンデンサーの放電と充電を繰り返す現象が起こります。これを電気振動といいます。

電圧の最大値が等しいことから、角周波数を求め、この振動回路の周期や固有周波数を求めることができます。

理想的な回路の場合、エネルギー保存則が成り立つので特にコンデンサーの最大値とコイルの最大値を比べて電圧や電流を求めたりすることが多いです。

電気振動の時間変化の様子を、1/8周期ごとに見ていくと上の図のようになります。実際の回路では抵抗を無視することができないので、エネルギーが熱に変換されて、回路を流れる電流の値はだんだん小さくなっていきます。これを減衰振動といいます。

次回が電磁気のラストです。電磁波の発生について見ていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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