物理 電磁気16 電磁誘導

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

前回までに電流が磁気的な作用を及ぼすことを学びました。その逆で磁束が電気的な作用を及ぼします。

コイルを検流計につなぎ、棒磁石をコイルに近づけたり、遠ざけたりすると回路に電流が流れます。このとき、コイルには起電力が誘導されており、電池の役割をします。この現象を電磁誘導といいます。

図のコイルにN極を近づけたときは反時計回りに、N極を遠ざけたときは時計回りに誘導電流が流れます。この向きは、レンツの法則に従います。

レンツの法則について見てみましょう。下向きの磁場が生じているところにコイルを入れる場合、コイルを貫く下向きの磁束が増加します。コイルにはこの磁束の変化を打ち消すように上向きの磁場を生じるような電流が誘導されます(右ねじの法則)。

コイルを出す場合には、コイルを貫く下向きの磁束が減少します。コイルには下向きの磁場を生じるような電流が誘導されます。

このとき誘導起電力は、磁束を横切る部分に生じています。

ファラデーの電磁誘導の法則は、このようにまとめられます。コイルに生じる誘導起電力は、単位時間当たりの磁束の変化で表されます。センター試験形式では、数式では大きさだけを考えて、向きはレンツの法則で考える

2次試験レベルではレンツの法則を含めてマイナスで表現し、キルヒホッフの法則を立てることが多いです。

磁場を横切る導線に生じる誘導起電力は、よく出題されるので覚えておいた方がいいでしょう。図の右側が1巻きのコイルとなり、導線abが左に動くとコイルの面積が増加し、下向きの磁束が増えます。abには上向きの磁場を生じる向きの誘導起電力が発生します。

磁場を横切る導線に生じる誘導起電力を、ローレンツ力をもとにして考えてみましょう。電子がPQとともに左に動くと、仮想的な電流が右に流れていることになります。フレミング左手の法則を適用すると、Q→Pの向きにローレンツ力がはたらきます。

電子の移動によって、電荷の偏りができると電場が生じます。電子は電場からはクーロン力を受けます。ローレンツ力とのつりあいを考えると、電場を導線の速さと磁束密度で表せます。これと電位差の式から先ほどの式が導出できます。

磁場を横切る導線に誘導起電力が生じるとき、エネルギーがどのように移り変わっていくかを見てみましょう。キルヒホッフの法則の式にItを掛けると、仕事とエネルギーの式に変換することができます。

誘導起電力の項から、おもりの位置エネルギーの増加が出てきます。電流が磁場から受ける力によって、おもりが引き上げられるからです。

また、ここでは一定の速さで動いている導線を考えましたが、導線の速さが変化する場合にも、速さの変化を妨げる向きに誘導起電力が生じるので、速さはやがて一定となります。

金属板に磁石を近づけたり、金属板上で磁石を動かすときにも誘導電流が流れます。これを渦電流といい、電磁調理器(IH)や大型のトラックやバスのブレーキとして利用されています。

電磁誘導は入試には必ず出題されます。また、電磁誘導の法則の発見によって、今日の電気文化が築かれました。非常に重要な現象ですから、しっかり押さえておきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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