物理 電磁気14 ベクトルの外積

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

電流が磁場から受ける力をより正しく理解するためには、ベクトルによる記述が必要です。高校物理では必ずしも必要ないですが、簡単に触れておきましょう。

ベクトルの内積は2本のベクトルに対して、スカラーを対応させる演算です。これは数学でも学びますね。ベクトルの外積は2本のベクトルに対して、ベクトルを対応させる演算です。外積は高校では基本的に扱わないのですが、物理ではこれを利用しています。

内積と外積の幾何学的意味は、それぞれ上のようになります。外積は元の2本のベクトルに垂直で、それらがつくる平行四辺形の面積に等しい長さを持ったベクトルになります。a×bは”aをbに向かって回転させるときに右ねじが進む向き”のベクトルです。

数学では代数的に処理することも多いですね。外積は慣れないと少し複雑に見えますが、法則性を覚えましょう!

物理ではどのように使われるのかの代表例です。仕事は力ベクトルと変位ベクトルの内積、力のモーメントは腕の長さベクトルと力の外積です。「力×腕の長さ」で表しましたが、この量をを”作図”することはしてこなかったはずです。力のモーメントを外積として作図すると右のようになります。

これらを踏まえて、電流が磁場から受ける力を考えてみましょう。フレミング左手の法則から、電流と磁場と力が直交するように作図しましたね。これは、「電流の向きから磁束密度の向きに右ねじを回したとき、そのねじが進む向きに力を受ける」と考えられます。つまり、「電流ベクトルと磁束密度ベクトルの外積」となります。

なので、この式を「力はビル!」と語呂合わせで覚えるのは本質から外れてしまうので、本当はよくないのです。

オマケとして、ベクトルを行列として計算するテクニックについて見てみます。今の高校生は「行列」が教科書から外れているので、馴染みがないと思いますが、行列表記はとても便利なのです。

与えられたベクトルの成分を、行列形式で書くと上のようになります。これを「3行1列の行列」といいます。このように書くと、内積は「横の数字を掛け算して全部足す」という演算になります。見やすくなったでしょう?

外積はこのようになります。「計算したい成分以外の数をクロスで掛け算して引く」という演算です。やっぱり複雑ですか?理系の大学に進むともっと面倒な計算をすることになります。慣れですね笑

外積は順番が大切ということもわかると思います。逆から掛けると、反対向きのベクトルが得られますね。このようなことを押さえておくと、物理の内容の理解がさらに深まります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました