物理 電磁気12 電流が作る磁場 

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

前回、磁極の周りの磁場について学びました。方位磁針は南北方向に向くわけですが、磁場中ではその磁場の向きに力を受けて傾きます。エルステッドは回路の実験中にたまたまそばにあった方位磁針が触れているのを発見し、それが回路に流れる電流によるものだと気づきました。電流が作る磁場については、3つの式を覚えてください。

直線導線に流れる電流の周りの磁場には、上のような特徴があります。この大きさを求めるには高度な数学が必要なので (この記事の後半で少し説明します) 、覚えておく必要があります。

特に磁場の向きが重要になるので、”右ねじの法則”で覚えましょう。手を”GOOD”の形にして、電流の向きを親指としたとき、他の4本の指の向きが円形磁場の回転方向です。

では、導線を円形に巻くとどうなるでしょうか。今度は電流の向きを4本の指にとり、親指を磁場の向きとします。

また、コイルの中心の磁場の大きさは1巻きのコイルでI/2rです。「直線電流が作る磁場は円形なのでπが絡む、コイルの中心の磁場は直線なのでπはない」と覚えましょう。

最後に導線を密に巻いた”ソレノイド”についてです。コイルの場合と異なり、ソレノイド内部の磁場は、軸に平行で一様になります。右ねじの法則はコイルと同様です。1m当たりの巻き数である”巻き密度”を使って電流との積で表されます。式の形は一番シンプルですね。

地球の周囲には磁場が発生しており、それを”地磁気”といいます。地表から2900kmより深くにある”外核”は、液体の鉄やニッケルでできています。その対流運動が原因で電流が流れているため、地磁気が生じると考えられています。

右図のように、地球の磁場ベクトルの水平成分を水平分力(赤)、鉛直成分を鉛直分力(青)、北からの偏角、水平方向からの落ち込みを伏角といいます。

【参考】電流が作る磁場の数学的説明

電流が作る磁場を導出するためには、数学の力が必要です。上の表現は「積分形アンペールの法則」です「閉回路内の線素dlで磁場の接線成分を積分すると、閉回路を貫く電流の和に等しい」という意味になります。磁場と線素の代わりに、電流密度と面素を使うこともあります。

また、「微分形のアンペールの法則」で書くと大学の電磁気学で学ぶ”マクスウェル方程式”の1つになります。が、この話はまた別の機会に…

今度は電流の方に着目します。電線の微小部分dsにより、そこからrの位置に作られる磁場が上の式で表されるというのが「ビオ・サバールの法則」です。

ビオ・サバールの法則の式は、積分することでアンペールの法則の結果と一致します。直線電流についての例を見てみましょう。

数Ⅲの積分計算ができればできないことはないと思いますが、この式を自分で作り出すのは高校生には難しいですねf(^^;
厳密さを求めれば、このように微小部分に着目をして、それらの寄与をすべて足し合わせていくという方法がとられます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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