物理 電磁気10 直流回路いろいろ

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

直流回路で問われる例をいくつか紹介していきます。キルヒホッフの法則や電位の関係をみつけていけば大丈夫です!典型的な問題はしっかり押さえておきましょう。

電流計と電圧計はコイルに流れる電流が永久磁石から受ける力によって針を動かし、電流や電圧を測定します。電流計は測りたい回路に直列に接続しますが。内部抵抗によって回路に流れる電流が変化してしまうため、コイルに太い導線を使って内部抵抗を極力小さくします。

この内部抵抗だけでは、1つの範囲の電流しか測れないため、電流計に並列に”分流器”という抵抗を差し込むことで、 例えば50mA、500mA、5Aのように 測定範囲を変えることができます。

電流計の測定範囲をn倍とする場合には、電流計と分流器が並列であることから、電位差が等しいという式を作って分流器の抵抗値を求めます。

電圧計は測りたい回路に並列に接続しますが、電流計と同様に内部抵抗によって回路に流れる電流が変化してしまうため、コイルに細い導線を使って内部抵抗を極力大きくします。

電圧計に直列に”倍率器”という抵抗を差し込むことで、 例えば15V、150Vのように 測定範囲を変えることができます。

測定範囲をn倍とする場合には、電圧計と倍率器が直列であることから、流れる電流が等しいという式を作って倍率器の抵抗値を求めます。

電池は化学反応を利用して電位差を作り出す素子です。その電池自身も内部抵抗を持っています。たとえば起電力1.5Vの電池、3Vの電池などがありますが、内部抵抗を考慮して、キルヒホッフの法則を立てると電池の端子電圧は起電力から内部抵抗の電圧降下を差し引いたものとなります。

したがって、”起電力”とは電流が流れていないときの電池の電圧のことであり、回路に電流を流すと起電力以下の電圧になってしまいます。また、回路に流れる電流が大きいほど内部抵抗の電圧降下が大きくなるので、電池の性能が下がることがわかります。

未知の抵抗の抵抗値を測定するための回路が”ホイートストンブリッジ”です。図のような回路を考え、回路中のcとdに橋渡しをした検流計に電流が流れないように可変抵抗を調整します

acbの電流はI1、adbの電流はI2です。またcとdは等電位ですから、acとad、cbとdbの電圧について=で結ぶことができ、辺々割り算します。すると4つの抵抗についての比の式になりますから、未知の抵抗値を求めることができます。

電位差計は電池の起電力を測定する装置です。まず、標準電池側にスイッチを入れて抵抗線の接点cを動かし、 検流計に流れる電流が0になる点を見つけます。このとき、標準電池の起電力とacの電位差が等しく、電池に電流が流れていないので内部抵抗による電圧降下が0となります。

抵抗値は長さに比例しますから、②で測っておいたacの長さを使うと標準電池の起電力を(ア)式のように求められます。同様の手順で未知の電池の起電力を(イ)の式のように求められます。

(ア)(イ)の比をとると、未知の電池の起電力を標準電池の起電力と電流が流れなくなるときの抵抗線の長さで表すことができます。

電流を流すと温度が上昇する素子では、電流を流していないときに比べて抵抗値が大きくなります。すると、オームの法則が成り立たなくなり電流ー電圧グラフが直線になりません。これを非直線抵抗(非線形抵抗)といいます。例題のように曲線の電流ー電圧特性のグラフが与えられ、これをもとに解いていきます。

(1)では電球と抵抗にかかる電圧がともに1Vですから、グラフから値を読めば豆電球に流れる電流は0.19Aであるとわかりますね。

(2)ではキルヒホッフの第2法則を立てます。この式をIについて書きかえ、与えられたグラフに描きこみます。この直線とグラフの交点がそのときに電球にかかる電圧であり、回路に流れる電流となります。

最後にコンデンサーを含む場合です。各時点でのコンデンサーのふるまいが重要になります。

①充電開始のときは、コンデンサーは抵抗値0の抵抗とみなすことができ、抵抗にすべての電圧が加わります。

②充電途中ではコンデンサーに電荷がたまるほど、抵抗にかかる電圧が小さくなります。すなわち、回路に流れる電流は時間とともに小さくなっていきます。

③コンデンサーの電圧が電池と等しくなると充電が終わり、回路に電流が流れなくなります。このときコンデンサーは抵抗値∞の抵抗とみなせます。

回路に流れる電流と抵抗の電圧、コンデンサーの電圧のグラフは図のようになります。このグラフは指数関数になっていますが、ここでは詳しく触れないことにしましょう。いずれ別の記事にしようと思います。

充電されたコンデンサーは、電池としてふるまいます。これを放電といい、先ほどの電流の向きを正とすると逆向きの電流が流れます。

ここまで、電気分野について見てきました。次回から磁気分野に入っていきます。電気分野のアナロジー(類推)で考えられるところと、電気と磁気を組み合わせて考えるところなどがあり、難易度が上がります。電気の基礎をしっかりと定着させていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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