物理 電磁気1 静電気力と電場

ふぃじっくす

どうも、やまとです。

現代の生活は、電気によって支えられています。電気による現象も力学的な考察によって、解析していくことができます。高校物理の大きな分野である電磁気について、学んでいきましょう。

まずは物質を構成している原子について確認です。原子は中心にある原子核とその周りにある電子からできています。電子が持っているマイナスの電気量と原子核が持っているプラスの電気量は大きさが同じです。これを”電気的に中性である”と表現します。図はナトリウムの電子配置です。正の陽子と負の電子がともに11個あり、電気的なつりあいが取れています。元素記号の左下が陽子の数と電子の数を表し、左上は質量数といいます。質量数は陽子と中性子の数の和なので、引き算すると中性子の数が計算できます。中性子は電気量が0の粒子です。

原子の電気バランスが崩れたものをイオンといいます。左の図はナトリウム原子が最外殻電子を放出してナトリウムイオンになったときの電子配置です。陽子が電子よりも1個多いので、正に帯電しています。左はフッ素原子が電子を取り込んでフッ化物イオンになったものです。電子が陽子よりも1個多いので、負に帯電しています。この2つの電子配置は希ガス原子のネオンと同じです。

このように物質を構成する原子は電子をやり取りすることで帯電するので、静電気による現象が起こります。乾燥した冬の時期はプリントがくっついたり、金属製のドアノブに触れたときに火花が出たりすることがありますね。

電荷にはたらく引力や斥力の大きさについて研究したのがクーロンです。電気量の単位はクーロンの名前から取られています。2つの電荷にはたらく静電気力は、電気量の積に比例し、距離の2乗に反比例します。これは万有引力の法則と同じ形をしています。これが物理の面白いところですね!

電子や陽子の電気量の大きさを電気素量といいます。値は覚えておきましょう。この値がどのようにして得られたのかは、最後の原子分野で学びます。電気に関わる保存則として、帯電体の電気量の総和が変化の前後で変わらないという”電気量保存則”を考えることができます。

静電気力は重力と同様に、離れていても伝わる力です。これを”場の力”と呼んでいました。静電気力が及ぶ空間のことを”電場”といいます。重力が及ぶ空間は重力場です。したがって、電場中に電荷を置くと静電気力を受けます。正電荷は電場と同じ向き、負電荷は電場と逆向きに力を受けます。+1Cの電荷が受ける力を電場の定義とすると、電場中の電荷にはたらく静電気力は、以下の式で表せます。

q〔C〕の電荷にはqE〔N〕の力がはたらきます。これをEについて書けば、これが電場の定義です。①としたのは、電場にはもう1つ別の表現があるからです。②の定義は後ほど見ていきましょう。力はベクトル量ですから、電場もベクトル量です。簡単のために、しばらくは大きさだけを考え、その向きは図を考えることで決定していきます。

帯電体どうしが静電気力を及ぼすなら、帯電体の周囲には電場が生じていることになります。電場は+1Cの電荷が受ける力ですから、クーロンの法則の一方の電気量に1Cを代入したときに得られる力が電場に等しいということです。これを点電荷まわりの電場とし、+Q〔C〕の電荷からrだけ離れた位置の電場を表すことができます。同じ距離のところは電場の大きさが等しく、この位置を結んでいくと球を描きます。

点電荷の周囲のある点の電場を求めよ、と言われたら+1Cをそこに置きましょう。その試験電荷が受ける力を求めることが、電場を求めることです。例1は正電荷まわり、例2は負電荷まわりの点Pにおける電場を表しています。

空間の2点に電荷があるときは、それぞれの電荷から受ける電場をベクトル合成したものがある点Pにおける電場となります。これが合成電場です。合成電場の大きさや向きを求める問題は、図形的な要素も絡んでくるので三平方の定理や三角関数も使うことに注意しましょう。力や速度の合成と同様です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました