物理 力学8 運動量保存則

ふぃじっくす
やまと
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どうも、やまとです。

前回、運動量と力積という新しい量を定義し、その関係式を運動方程式から導きました。ここでは、2物体の衝突について運動量と力積の関係式を立て、新たに”運動量保存則”を導いていきましょう。

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物体Aが物体Bを追いかけ、衝突する問題です。衝突時には前回考えたように、刻一刻と変化する力がはたらきますがここでは瞬間的にFの力がはたらくことにします。これは作用・反作用の法則から大きさが等しく、逆向きの力です。まずは物体それぞれについて、右向きを正として運動量と力積の関係式を立ててみましょう。

やまと
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速度の向きは衝突の前後で変わっていないのですべて正の向きです。Aにはたらく力は負の向きであることに注意して、式を立てます。力積は大きさが等しく逆向きですから、A、Bの式を辺々足せば右辺は0になりますね。マイナスの項を移項してまとめると、衝突の前後で運動量の和が変化しないという”運動量保存則”が導けます。ベクトル図は右のようになります。

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運動量保存則が成り立つ条件を考えるために、力のカテゴリーを考えます。物体が互いに及ぼしあう力を内力物体以外からはたらく力を外力とします。運動方程式では基本的に1つの物体について考えてきましたが、運動量保存則は2物体以上について考えるので、1つ1つの物体ではなく全体について見ることを”物体系”、あるいは単に”系”といいます

運動量保存が成り立つ条件は、”内力を及ぼしあうだけで外力を受けていないとき”ということです。地球上では重力を受けますので、これでは運動量保存則が成り立たなくなってしまいます。ここで考えるのが ”撃力近似” です。衝突では瞬間的に大きな力(撃力)がはたらきます。このとき重力などの外力がはたらいていても、その外力による力積は撃力による力積に比べて無視することができ、衝突の前後で運動量は保存するという考えです。あるいは重力のはたらかない水平方向だけの成分で考えるという見方もできます。

さらに※式は物体がくっついて一体となる場合や、分裂する場合にも成り立ちます。運動量保存則は、これからさまざまな問題で考えていくことになります。まずは基本をしっかり押さえましょう。

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運動量保存則は平面の場合にも成り立ちます。このときはベクトルで表しましょう。AとBについての運動量と力積の関係は右上の図です。Aが受ける力積とBが受ける力積ベクトルは大きさが等しく逆向きです。衝突前後の運動量の和は左下の図です。黄色で描いた運動量の和ベクトルが等しくなります

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実用的には2物体の運動を含む平面上にx,y座標をとり、運動量をx成分、y成分に分解して考えます。このvは向きを含めて考えるので、軸の向きを定めて符号をつけましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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