物理 力学12 慣性力・遠心力

ふぃじっくす
やまと
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どうも、やまとです。

加速度運動をする物体の中から、他の物体を観測するときは慣性の法則が成り立っていないような現象が起こる場合があります。このようなときには、基本となる物理法則が成り立つように考え方を広げてみましょう

やまと
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等速で動く電車の内外の観測者が、天井からつりさげられた物体を見ています。Aさんにとっては、物体は電車とともに等速で動いていますね。このとき、物体にはたらく重力と張力はつりあっています。

Bさんにとっては、物体は静止しています。このときも、重力と張力がつりあいの関係にあり、どちらの立場に立っても慣性の法則が成り立っています

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では、電車が加速度運動をするとどうでしょうか。Aさんにとっては、物体は電車とともに加速度運動をします。糸が天井から斜めになっていますが、それとは関係なしに運動方程式を立てることができます。物体に加速度を生じさせるのは糸の張力の水平成分Fです。

Bさんにとっては、おかしなことになっています。物体が斜めになって静止しているのです。張力の水平成分とつりあうような左向きの力がなければ、このように静止することはありません。吊革につかまって乗り物が発車するとき、停止するときに体が後ろにもっていかれたり前につんのめったりした経験があるかと思います。発車や停止は短い時間ですが、もし一定の加速度が加わり続ければこの力ははたらき続けます。これはそのような力です。慣性の法則が成り立つ立場を”慣性系”、慣性の法則が成り立たない立場を”非慣性系”と呼びます

やまと
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Bさんの立場で慣性の法則を成り立たせるために、左向きの力を導入します。これが”慣性力”です。向きは加速度と逆向き、大きさは運動方程式から得られる式で表します。そうすれば、Bさんにとっては力のつりあいがとれて物体が斜めに静止していても問題ない、ということになります。

慣性力は今まで考えていた”場の力”、”接触力”に加えて、加速度運動をする物体の中にいる観測者:”非慣性系”で考えるときに限って導入する第3の力として押さえておきましょう

やまと
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前回学んだ等速円運動は常に中心方向の加速度が生じているんでした。ということは、等速円運動をする物体上の観測者には常に慣性力がはたらくことになります。円盤の外にいるAさんと、円盤上にいるBさんを比べてみましょう。

やまと
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Aさんは円運動の運動方程式を立てましょう。加速度の表現は3通りありましたから、与えられた量で表せる形にします。糸の張力が向心力です。

Bさんにとっては、糸の張力が中心方向にはたらいているにも関わらず、物体は円盤の中心に引き寄せられずに静止しています。ですから、円の外側を向くような慣性力がはたらいています。これを”遠心力”といいます。

今回は簡単な例をあげたので、慣性力を導入するメリットがあまり伝わっていないと思います。それでいいのです。運動方程式を立てられるのであれば、それが一番効率的です。しかし、問題によっては現象が複雑で、非慣性系の立場でなければ解けないものもあります。そのようなときに、現象を簡単にとらえて問題が解けるようにしていくためのテクニックとして慣性力を導入していきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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