物理答案作成の5原則

学習方法

どうも、やまとです。

物理のススメ!の項で物理を学ぶ上での心構えを示しました。今回はより具体的に、答案を作成するときにどのような点に気を付けていけばいいのかを考えてみたいと思います。次の例題を見てください。

力学的エネルギー保存則を用いて速さを出す、典型的な問題です。物理の問題を解いていれば何度も何度もやることになるでしょう。この問題の解き方として、よく見る答案を書いてみます。

見覚えのある人はいませんか?(笑)答えが合っていたとしても、この答案では採点者を唸らせることはできません。問題点としては

・何の法則を使っているのかがわかりにくい

・問題で定義されていない文字が式の中にある

・計算に工夫がされていない

などです。では、どのように改善していけばいいのでしょうか。解答例はこちらです。

図の中の数字が、以下のポイントに対応しています。1つずつ見ていきましょう。

① 問題の構造を示す図や説明文の提示

図は必ず描きましょう。問題に図が載っているときにはその中に描きこんでもOKです。図がごちゃごちゃするときは、簡略化したものを改めて自分で描きましょう。この場合はA、B点での高さや速さを図の中に文字で置き、文章で定義されていない質量と、自分で定義した位置エネルギーの基準を明記しています。細かいところですが、厳密さを求めるためには重要な部分です。

② 適用する法則や公式の提示

これから立てる式の法則名や~の関係式というように、”何の式を立てます”ということを宣言しましょう。そうすることで自分でも確認になり、採点者には自分の考えが鮮明に伝わります

③ 計算を始める前の一般式か方程式の提示

いきなり数値を代入した式を書かずに、文字式で一般式を書きます。数値計算をする場合には定義されていない文字はキャンセルされるようになっていなければなりません。問題の難易度が上がればそもそも数値を与えられず、文字式で計算を進めていくことになりますから、必然的にここを書くことになります。そのための訓練です。

④計算過程の提示

特に数値計算の場合には、数学の知識を使って計算の工夫をした方がいい場合があります。頭からすべて計算をしてしまっては、計算間違いのリスクもあり、時間もかかります。文字式の場合には必要最低限の式変形の過程を追っていき、どこかでおかしくなったときに戻って確認ができるようにしておきましょう。

⑤ 計算結果について、物理学的視点からの吟味過程の提示

解答例では計算の前に書いています。2乗を外せばプラスとマイナスの値が出てきますが、この場合の速さは正の値であることを記述します。数学的に正しくても物理的には正しくないという場合が多いです。特に条件によって場合分けをするときには、それが起こりうる現象かどうかの吟味が必要になります。

まとめると「解答・解説に書いてあるように、自分で答案を作成する」ことが求めらられるということです。物事を正しく捉えることを”科学的思考”というならば、この形式を訓練することで科学的思考を養うことができます。このようなことを普段から考えられていれば、それは他の科目にも、部活や日常生活にも応用できます。少しでも豊かな生活をしていくために、考え続けましょう

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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