名古屋大学のコンデンサー回路の問題です。うまく立式をしていかないと計算量が多くなってしまうので、気を付けましょう。


・コンデンサー1の静電容量をCとすると、コンデンサー2は2C、コンデンサー3はCである。
・スイッチを開いてAB間にVの電圧をかけて充電すると極板1の電気量はQである。
・スイッチを閉じて抵抗に電流を流したあと、スイッチを開きコンデンサー3に誘電体を挿入する。
普通はコンデンサーの式Q=CVを使ってコンデンサーの電気量を計算しますが、極板の電位を考えて、極板ごとの電気量を考える方法もあります。

コンデンサーの極板に蓄えられる電気量は、大きさが等しく正負が逆になります。それを利用して式を立ててもいいのですが、今回の問題ではCHECKのように極板ごとに考えていく方が、計算量が少なくすみます。


極板1、4、5についてコンデンサーの式を適用し、孤立部分である極板4、5で電荷保存の式を考えます。
ここからV45を求め、コンデンサーの式に戻します。極板3、6の電荷は4、5と反対の符号です。


コンデンサー2、3の電位差はV1、V2から静電エネルギーを計算します。U=1/2QVを使いましょう。



抵抗とコンデンサー2は並列になっていますから、コンデンサー2の電気量は0になります。極板2と6の電荷保存とコンデンサーの式から、回路上部の電位V’を求めます。
極板4、5にはもともと電荷がなく、スイッチを閉じたあとは極板5の電荷だけですから、抵抗を通って流れた電荷は極板5に蓄えられた電荷の分ということになります。


発生したジュール熱はコンデンサーの静電エネルギーの減少分です。問2で求めたエネルギーから、スイッチを閉じて十分時間が経った後のエネルギーを引いたものが求めるジュール熱です。


スイッチを切ってコンデンサー3に誘電体を挿入します。図のように電気量と電位を決めて電荷保存とコンデンサーの式を立てて計算していきます。式の数は多く見えますが、計算はそれほど大変ではありません。
1つのやり方を極めていくのも大切ですが、臨機応変に対応できるようになると計算間違いが少なくなり、時間の節約ができますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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