大学入試演習 力学4 斜面上での放物運動

ふぃじっくす

2003年度九州大学の力学です。床面との衝突問題は様々な大学で出題され、難関大学ではn回衝突や無限回衝突へ拡張されます。またグラフの作図では、どのようなポイントを押さえればいいか見ていきましょう。

分量が多く見えますが、問1は斜面上での放物運動について基本事項の確認です。

問2(1)、(2)は床面との衝突後の運動の諸量について
(3)はn回衝突したとき
(4)は反発係数を0.5として、3回目の衝突までのy-xグラフとvy-xグラフの作図です。

斜面上の運動を扱うときには、斜面に沿った方向の加速度を「見かけの重力加速度」として考えると、鉛直面内と同様に考えることができます。

床との衝突において、衝突のたびに、
・速度と衝突時間間隔はe倍
・最高点の高さはeの2乗倍
に小さくなります(e<1)

これを知っておいて、計算したときに「あぁ、そうだったな」と思い出すくらいでいいでしょう。

(1)軸の向きが設定されているので気を付けましょう。求める加速度を設定し、運動方程式を立てます。重力のy方向成分は負になりますね。求めた加速度が「見かけの重力加速度」です。

(2)y方向は等加速度運動ですから、2番目の式を使いましょう。L0からスタートして、y=0になるまでの時間を求めます。

(3)x方向には力がはたらいていないので、等速度運動です。初速度v0でt0秒で移動する距離がD0です。

なめらかな床面との衝突において、x方向の速度は変化しません。y方向は反発係数eで跳ね返りますから、向きまで含めると-e倍になります。

衝突直前の速度は問1の結果を利用して、等加速度運動の式から求められます。直前は負の向き、直後は正の向きに跳ね返っていることが数式からもわかりますね!

反発係数の復習

CHECKと同様に力学的エネルギー保存則からLを求めました。確かにeの2乗倍になっていますね。最高点でのy方向の速度が0になることからtを求めるのは、何度も経験していますね。

もちろんtを求めてから、等加速度運動の2番目の式でLを求めてもOKです!

1回目の衝突とn回衝突したときの速度と最高点が、どのような関係になっているかという問題です。条件が変わらない限り、同じ現象が続いていきますから、速度は衝突のたびにe倍、最高点はeの2乗倍になっていきます。

「n回衝突になると難しい!」と感じるかもしれませんが、シンプルに考えましょう。

x方向の距離は、時間がe倍になることから、0.5倍ずつになります。y方向の最高点はeの2乗倍ですから0.25倍ずつの放物線となります。

速度は衝突後は正の向きで大きさはe倍、すなわち0.5倍です。加速度は常に一定ですから、傾きが一定の直線のグラフとなります。

普段の演習からグラフを描くクセをつけておくと、現象への理解が深まります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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