大学入試演習 力学2 動滑車と運動方程式

ふぃじっくす

2001年度京都大学の後期の問題です。定滑車と動滑車の基本的な問題で、ぜひ完答したいですね。

問題の設定は
・おもりAとCが定滑車を通してロープで結ばれている
・間に動滑車とおもりBをつるす
・ある瞬間に支えをはずすと、同時に動き出す。
・滑車・ロープの質量は無視、滑車はなめらかで、ロープは伸び縮みしない。

物体はあらゆる値の位置、速度、加速度をとることができます。しかし、何らかの制限を受けて、とることができる値を制限される場合があります。これを束縛条件といいます。

滑車の問題では「全長が不変」ですし、斜面の運動では「斜面に垂直な方向の速度、加速度が0」となります。

ロープの束縛条件から得られた、変位の式を速度と加速度に拡張すると、1本のロープで制限されたおもりの運動が記述できます。

それぞれの物体について絵を描くと、上図のようになります。ポイントはおもりBを滑車を含めて描くことです。動滑車は両側からロープで引っ張られているので、上向きに2Tの張力を考えます。滑車に質量が与えられることもあるので注意しましょう。

問題文にある通り、上向きを正として運動方程式と等加速度運動の式を立てます。

普段、力の大小関係を考慮して、運動の方向を意識した式を立てている人は気を付けましょう。

CHECKで確認した、ロープの長さが一定であるという束縛条件を用いて、変位の式を立てます。(4)~(6)の結果を代入して、加速度の関係を導きます。

運動方程式を加速度について書き、(7)の結果に代入します。これをTについて解きます。

Tの結果を加速度に戻して計算します。これで(8)~(10)までが出てきます。

ⅡではBが静止という条件があるので、Bの加速度を0とし、分子が0になるようにMを求めます。

これをAとCの加速度に代入します。AとCは逆向きの運動をするので、大きさが等しく向きが反対になっていますね。これを変位の式に代入すると(13)、(14)がでてきます。

滑車の運動は多くの大学で題材になります。ロープの長さについての束縛条件と向きに注意すれば、完答できる問題でしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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